先輩たちのその後
やるからには本気で。
香港・中国からその先へ
K.Uさん
香港島田有限公司 総経理
島田商会深圳代表処 一般代表
2006年入社 新卒採用
目次
4年後のインタビュー
初回インタビュー
初回インタビューから4年、
改めて聞かせてください
香港と深圳の代表になられたと。 ピンチの影にチャンスあり
香港・深圳を行き来して、人脈を広げつつある
今年から現地に赴任して、生活がガラッと変わったところです。ギリギリまで出張ベースにするか赴任にするかという話だったのですが、やるなら本気でやってみようと。
ほぼベースがない状態なので、何が売れるのかもまだ分からない段階。まあ、売れるものは何でも売ろうと思ってます。今までは他部署の取り扱い製品についてあまり意識していなかったんですが、これからは連携して動くことになります。
入社してからずっと樹脂事業部だったので、新しいチャレンジができるのはいいなと。ゼロからのスタートなので課題は山積みですが、実績を上げることで、これから海外に出たいと思っている後輩たちにつないでいけたらなと思っています。
中国が景気回復したら、スタートダッシュを切れるように
いまの中国はかなり景気が悪く、買い控えなども増えている。時期としては良くないですが、あの大国がずっと低迷するとは思えないので、経済が上向きになって「よーいドン!」となった時に、いいスタートが切れるようにと今画策中です。
アメリカとの貿易摩擦の関係で、中国企業は関税が低いベトナムや東南アジアに工場を作ったりしているのですが、それもアメリカ側に見抜かれてきた。じゃあ、次はどんな手を打つかで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。現地にいると入ってくる情報量も多いし、人脈もどんどん広げていけるので、多方面にアンテナをはり始めたところです。
中国での生活は?
何ごとも楽しい。
飛び込んでしまえば
何とかなる
言葉はカタコトでも、意外に通じ合えるもんだ
毎日おもしろいですよ。最初は人脈をつくるのが大変だろうと思っていたのですが、いろんな所に顔出しするうちに知り合いが知り合いを呼んで。同じように赴任している日本人が結構いるので、日本食屋さんとかで出会ってつながったり。深圳ではフットサルチーム、香港ではモルックチームに所属したのですが、そこから知り合いがどっと増えました。
私は英語も中国語もほとんど話せないのですが、相手の言ってることもなんとなく分かるようにはなってきたかな。なんとかなるもんです。
もともと、何ごとにも飛び込んで楽しめる性格なので(笑)。

これからチャレンジしたいことは?
OUT-OUTビジネスの
可能性も探っていきたい
中国をベースにすると、世界の距離感が縮まった
日本にいる時は考えたこともなかったのですが、現地を支点に考えると、その先の世界が広がった感覚はあります。東南アジアや中東、アフリカ、南米など、これからどんどん伸びていく地域がある。今はまだ言葉や人員の問題もあるので、一足飛びには難しいけれど、さっきのよーいドンのときには「もうやってますよ」くらいのアドバンテージはもっておきたい。まずは、日本と中国・香港の連携を深めつつ、その先にはOUT-OUTビジネス(中国での現地法人化、香港還元、香港から他諸国への出資)も考えていきたいですね。
せっかく島田商会の看板を背負って日本から出てきたのですから、やるからには本気で開拓していくつもりです。
初回インタビュー(入社15年目)

海外であらためて感じた、人と想いをつなぐ商社の魅力
海外での仕事が多いのですか? 中国での経験が教えてくれたこと
2013年に当社が香港島田を設立してから中国に行きはじめ、徐々に頻度が高くなり、現在は2ヵ月に一度1週間から10日現地に滞在しています。営業エリアとしては深圳を中心に蘇州や大連など。
お客様に材料を提案し、ご承認をいただいたのち、外注先である中国の工場で製品を生産してもらう、という流れですね。
ただ、当社が実際に製品を納めるべき中国の工場へ最初に行ったときに、警戒されてしまうことがあるんです。
「この材料ならばウチの工場は独自のルートで調達できる」と言われたり、「なぜ日本の商社から買わなければならないのか」だったり。お客様には材料の調達はまかせていただいているので、実際には当社経由でしか手に入らないのにも関わらず、です。契約工場に、島田商会という存在を認知してもらうところからビジネスを始めるということになるんですね。
いったん門前払いされてしまって、どうしようかなと夕飯を食べていると電話が入ってくる。やっぱり「独自ルート」では手に入らなかったんだな(笑)と、翌日あらためて仕切り直しにいくわけです。
当社も、お客様から仕様通りの製品を作るためのサポートを任されています。加えて、導入後のスムーズな取引きも考えると、こちらのやり方を押しつけるだけでは上手くありません。
大変なことや戸惑うこともありますが、難局を乗り越えるカギは、人種は違っても人間関係だと思います。人間性を買ってもらうよう、信頼をつくっていく。説明を尽くして、真摯に対応していくしかないと思っています。
商社の仕事とはどういったものでしょうか? 間に立つからできること
商社は売り手と買い手をつなぐ、その中間の立ち位置にいます。お客様のなかには売り手と買い手がダイレクトに取引すべきだと感じる方もおられるかもしれません。ですからそこにプラスアルファを創造して、商社がいることの価値を認めていただかなければならない。
私の部署では合成樹脂というプラスチックの原料を扱っていますが、膨大な種類の樹脂のなかからお客様のご要望に合ったものを的確にご提案することで、製品化へのスピード、クオリティが上げられるようになります。ご要望の機能をもった樹脂を探して走り回ることもありますし、目的の素材がみつからなければ、手法や設計での補い方をアドバイスしたり。ときに、価格交渉や納期調整といった中間にいるからこそできる弾力的な働きかけを提供する。
こうした能力を我々が発揮して、売り手と買い手の間を円滑につなぐことで、どちらにも満足いただけるようにビジネスを導いていくわけです。商社の存在価値を認めていただき、なくてはならない存在になれるよう努めていかねばと思っています。

商社人として、めざすところは? 人の想いをつなぐ仕事
中国でも、日本でも仕事していますが、最近感じるのは日本の方がシビアかもしれないということです。利益追求というか数字だけを見ているような。もちろん商売をするのですから厳しい面はあって当然です。
しかし、私は人とその想いをつなぐのが商社人なのだ、ということは忘れたくありません。言葉や習慣が違っても、つまるところ人と人であるという感覚は大切にしていきたいと思うんです。お金を産みだしていくなかでも、その前提にあるのは「便利な物、新しい物をつくりたい」という人の想いです。私たちは人の顔色をうかがうのではなく、想いを実現するために信頼を勝ち得て、必死に動く。そんな原点を大切にしながら、商社人としてこれからも働いていきたいと思っています。
※所属部署は、インタビュー当時の部署を掲載しております。